倒産危機から「駆けぬける歓び」へ──BMWをBMWにした開発秘話
「BMWらしいクルマ」と聞けば、何を思い浮かべるだろう。直列6気筒。後輪駆動。50:50にこだわる重量配分。ドライバー側へ向けられたコクピット。そして、アクセルを踏み込んだ瞬間に感じる独特の一体感。だが、このキャラクターは最初から完成していたわけではない。むしろBMWは、企業存続さえ危ぶまれた時代に「自分たちはどんなクルマを作るメーカーなのか」という問いと向き合い、その答えを一台ずつ積み重ねてきた。BMWの開発史とは、スペック競争の歴史ではない。ドライバーをクルマの中心に置くという思想を、何十年にもわたって磨き続けてきた物語なのである。BMWを救った「NeueKlasse」現在のBMWにつながる決定的な転換点が「NeueKlasse(ノイエ・クラッセ/ニュー・クラス)」だった。1950年代末のBMWは経営的に厳しい状況にあり、1959年には会社の将来を左右する局面を迎えていた。大株主となるヘルベルト・クヴァントの関与によって独立存続への道が開かれ、その後BMWは新しい中型車の開発へ力を注いでいく。そこで生まれたのがBMW1500を起点とするNeueKlasseだ。BMWGroupCla...


