トリビア

世界はアウディをどう評価しているのか──「技術による先進」が世界で支持される理由

アウディは、ドイツのプレミアムブランドを代表する存在の一つだ。日本では「上質な輸入車」「quattro(クワトロ)の四輪駆動」「洗練されたデザイン」といったイメージが強いが、海外ではそれに加えて「技術革新をリードするメーカー」という評価が根付いている。BMWが「走り」、メルセデス・ベンツが「快適性」を象徴するブランドとして語られることが多い一方で、アウディは「最先端技術を実用化するブランド」という独自の立ち位置を築いてきた。もちろん、すべてが高評価というわけではない。デザインや電動化戦略には賛否もある。それでも、世界中の自動車メディアが共通して認めるポイントがある。それは、「アウディは新しい技術を実際のクルマで形にするメーカー」だということだ。本国ドイツでは「知的でスポーティなプレミアムブランド」ドイツ国内では、アウディはBMW、メルセデス・ベンツと並ぶプレミアムブランドとして確固たる地位を築いている。その中でもアウディは、派手さよりも技術力や品質を重視するユーザーから高い支持を集めている。アウトバーンでの高速巡航では、高いボディ剛性と直進安定性が評価され、長距離移動でも疲れにくい乗り...

アウディは海外で何と呼ばれている? 本国ドイツから世界へ広がったブランド名と愛称の秘密

「アウディ」という名前は、日本では高級輸入車ブランドとして広く知られている。しかし海外では、その呼び方やブランドイメージ、さらにはファン同士が使う愛称まで、日本とは少し違った文化が存在する。ドイツでは本来の発音が使われ、英語圏では独特のニックネームが生まれ、SNSや海外フォーラムでは型式だけで会話が成立することも珍しくない。こうした呼び名を知ると、アウディというブランドが世界中でどのように受け入れられているのかが見えてくる。今回は、アウディの正式名称や海外での呼び方、愛称、そして海外での評価まで詳しく紹介していこう。「Audi」はラテン語から生まれたブランド名アウディはBMWやAMGのような略称ではない。ブランド名そのものが正式名称であり、その由来は創業者アウグスト・ホルヒにある。ホルヒ(Horch)はドイツ語で「聞け」「耳を傾けろ」という意味を持つ動詞である。しかし創業者は社名をめぐる事情から、自らの姓「Horch」を新会社で使えなくなった。そこで「Horch」をラテン語に翻訳した言葉が採用された。それが「Audi」である。つまりAudiとは、「聞け」を意味するラテン語なのだ。自動車...

アウディはサーキットでも最先端だった──世界のレースを変えたアウディの輝かしい戦績と技術革新

アウディを語るとき、多くの人は「quattro」や「技術による先進(VorsprungdurchTechnik)」という言葉を思い浮かべるだろう。しかし、そのブランドイメージは広告だけで築かれたものではない。雪道を制した四輪駆動、耐久レースで革命を起こしたディーゼル技術、ハイブリッドシステムによる新時代の戦い方――。アウディはモータースポーツを単なる宣伝の場ではなく、新技術を実証する「走る研究所」として活用してきた。その結果、世界ラリー選手権(WRC)、ル・マン24時間レース、アメリカの耐久シリーズ、DTM、さらにはダカールラリーまで、多彩なカテゴリーで輝かしい実績を残している。今回は、アウディが世界のレースで刻んできた栄光の歴史を振り返ってみよう。WRCで「四輪駆動は速い」を証明したquattroアウディのレース史を語る上で欠かせないのが、世界ラリー選手権(WRC)での活躍だ。1980年代初頭、それまで主流だった後輪駆動マシンに対し、アウディはフルタイム四輪駆動を採用したAudiquattroを投入した。当初は「重くて不利」と見られていた四輪駆動だったが、実戦では圧倒的なトラクション...

雪道から始まった革命──アウディ「quattro」開発秘話が変えた世界のスポーツカー史

「四輪駆動は重く、速く走るクルマには向かない。」かつて、それは自動車業界の常識だった。悪路では力を発揮しても、舗装路では重量増や駆動抵抗が不利になる。スポーツカーやラリーカーに採用する意味は薄いと、多くのメーカーが考えていたのである。しかし、その常識を真正面から覆したメーカーがある。アウディだ。現在では「quattro(クワトロ)」という名前は世界中で知られているが、その誕生は巨大な研究施設でも、レース専用車の開発室でもなかった。きっかけは、一台の軍用車が雪道で見せた驚異的な走破性だったのである。軍用車「Iltis」がすべての始まり1970年代後半、アウディの開発陣は冬季テストを実施していた。テストコースには、高性能な前輪駆動試験車とともに、サポートカーとして軍用オフロード車「VolkswagenIltis(イルティス)」が同行していた。Iltisは出力こそ高くなかったが、四輪駆動による優れたトラクションで、雪道や凍結路を難なく走り抜ける。一方、高出力の試験車はホイールスピンに苦しみ、思うように前へ進めない場面があった。その光景を目の当たりにした開発責任者ヨルク・ベンジンガーは、「高性...

世界はBMWをどう見ているのか──本国ドイツからアメリカ、日本まで。海外評価から読み解くBMWの本当の実力

BMWは世界中で販売されているプレミアムブランドだ。しかし、どの国でも同じように評価されているわけではない。「運転する歓びを追求したスポーツブランド」として絶賛される市場もあれば、「高級セダンメーカー」という印象が強い地域もある。近年では電動化への取り組みや大胆なデザインが評価される一方で、賛否両論を呼ぶことも少なくない。それでも世界中の自動車メディアやジャーナリストが共通して認める点がある。それは、BMWはドライバーのためのクルマを作るメーカーということだ。今回は、海外でのBMWに対する評価やイメージ、国ごとの違い、そして世界中のファンを魅了し続ける理由を紹介していこう。本国ドイツでは「プレミアムでありながら日常に寄り添うブランド」BMWの本拠地であるドイツでは、BMWは単なる高級車メーカーではない。高速道路「アウトバーン」を日常的に利用する環境では、高速巡航時の安定性や長距離移動での快適性が重視される。その点でBMWは、メルセデス・ベンツの快適性とアウディの先進性の中間に位置する、「走りを重視したプレミアムブランド」として評価されている。特に3シリーズや5シリーズは、営業車や社用車...

BMWは海外で何と呼ばれている? 世界中で愛される愛称と、その背景にあるブランドの物語

BMWという3文字は、自動車に興味がない人でも知っている世界的なブランドだ。しかし、国や地域が変われば、その呼び方やイメージも少しずつ変化する。ドイツでは正式名称で親しまれ、イギリスでは略称が自然に使われ、アメリカではスポーツセダンの代名詞として語られることも多い。さらに熱心なファンの間では、メーカーが想像もしなかったユニークな愛称まで誕生している。こうした呼び名には、それぞれの国がBMWをどのような存在として受け止めてきたのかが映し出されている。今回は、BMWが海外でどのように呼ばれ、どんなイメージを持たれているのかを見ていこう。正式名称は「BayerischeMotorenWerke」BMWは略称であり、正式名称はBayerischeMotorenWerkeAG。日本語では「バイエルン発動機製造株式会社」と訳されることが多い。ブランド名の由来は、ドイツ南部・バイエルン州に本拠地を置くメーカーであることに由来している。海外でも正式名称をフルで口にする機会は少なく、多くの人は単に「BMW」と呼ぶ。ドイツ語ではアルファベットを一文字ずつ読むため、「ベー・エム・ヴェー(B-M-W)」という...

BMWはなぜ“駆けぬける歓び”を証明できたのか──レースが鍛え上げたBMWの栄光の歴史

「BMWはレースで強い。」そう聞いて真っ先に思い浮かぶのは、M3、ツーリングカー、ニュルブルクリンク、あるいはF1かもしれない。しかしBMWのモータースポーツ史は、単にタイトルの数を競うだけでは語れない。同社は勝つためだけにレースへ参戦してきたメーカーではなく、レースで得た技術を市販車へ惜しみなく還元することでブランド価値を築いてきた数少ない存在である。直列6気筒の滑らかなフィーリング、高回転型エンジン、理想的な重量配分、優れたシャシーバランス。BMWらしさと呼ばれる要素の多くは、サーキットという極限環境で磨かれてきた。今回はBMWが歩んできたレースの歴史を振り返りながら、ブランドを象徴する数々の勝利と、その裏側にあった開発思想を紹介していこう。戦後BMWを世界へ押し上げたツーリングカーレースBMWが世界的なスポーツブランドとして存在感を高めた舞台は、ツーリングカーレースだった。当時のツーリングカーは、市販車をベースにしたマシンで争われるカテゴリーであり、「日曜日に勝ったクルマを月曜日に買える」という考え方が色濃く残っていた。BMWにとって、これは最高の宣伝の場でもあった。2002シリ...

BMW M1開発秘話――イタリアで生まれ、ドイツが救い出した「最初のM」

BMWと聞いて、多くの人が思い浮かべるのはフロントエンジン、後輪駆動、そしてシルキーシックスだろう。だが、その王道から大胆にはみ出したBMWが一台だけ存在する。低いウェッジシェイプ。運転席の背後に置かれた直列6気筒エンジン。鋼管スペースフレームにFRP製ボディ。そして、ドイツ車でありながら開発の重要部分をイタリアに託した異色の成り立ち。BMWM1、開発コードE26。現在ではBMWMの始祖として神格化されているが、その誕生過程は決して華やかな成功物語ではない。むしろ、提携先の経営不安、複雑すぎる生産工程、レギュレーション変更、ホモロゲーション取得の遅れという逆風が連続する、綱渡りのプロジェクトだった。それでもBMWは、途中でこのクルマを見捨てなかった。M1とは、速さだけでなく「完成させる執念」によって伝説になったスポーツカーなのである。すべてはポルシェを追うために始まったM1計画を強く推進した人物が、当時BMWMotorsportGmbHを率いていたヨッヘン・ニーアパッシュである。彼が狙っていたのは、既存の市販車を改造したレーシングカーではなかった。レースで勝つための専用車を最初から設計...

BMW開発秘話|“走りの快感”をブランドの中心に置いた、バイエルンの反骨精神

BMWというブランドを語るとき、ただ「高級なドイツ車」と表現するだけでは足りません。このメーカーの本質は、もっとクルマ好きの心臓に近いところにあります。それは、運転する人間を主役にするクルマ作りです。ステアリングを切った瞬間のノーズの入り方。アクセルを踏み込んだときのエンジンの伸び。FRらしい後輪から押し出される感覚。そして、直列6気筒が高回転まで滑らかに回るあの独特の気持ちよさ。BMWの開発秘話は、単なる技術の歴史ではありません。“移動するための機械”を、“走りたくなる機械”へ変えていった物語です。BMWの正式名称はBayerischeMotorenWerkeAG。英語では“BavarianMotorWorks”と訳される、ドイツ・バイエルン州ミュンヘンを拠点とするメーカーです。BMWの歴史は1916年までさかのぼり、当初は航空機エンジンとの関わりが深い企業として始まりました。BMWの原点は「空を飛ぶエンジン」だったBMWというと、多くの人は3シリーズ、M3、M5、直列6気筒、FRセダンを思い浮かべるかもしれません。しかし、ブランドのルーツをたどると、最初に見えてくるのはクルマではな...