BMWはなぜ“駆けぬける歓び”を証明できたのか──レースが鍛え上げたBMWの栄光の歴史
「BMWはレースで強い。」そう聞いて真っ先に思い浮かぶのは、M3、ツーリングカー、ニュルブルクリンク、あるいはF1かもしれない。しかしBMWのモータースポーツ史は、単にタイトルの数を競うだけでは語れない。同社は勝つためだけにレースへ参戦してきたメーカーではなく、レースで得た技術を市販車へ惜しみなく還元することでブランド価値を築いてきた数少ない存在である。直列6気筒の滑らかなフィーリング、高回転型エンジン、理想的な重量配分、優れたシャシーバランス。BMWらしさと呼ばれる要素の多くは、サーキットという極限環境で磨かれてきた。今回はBMWが歩んできたレースの歴史を振り返りながら、ブランドを象徴する数々の勝利と、その裏側にあった開発思想を紹介していこう。戦後BMWを世界へ押し上げたツーリングカーレースBMWが世界的なスポーツブランドとして存在感を高めた舞台は、ツーリングカーレースだった。当時のツーリングカーは、市販車をベースにしたマシンで争われるカテゴリーであり、「日曜日に勝ったクルマを月曜日に買える」という考え方が色濃く残っていた。BMWにとって、これは最高の宣伝の場でもあった。2002シリ...


