もし1980年代のラリー会場へ行けたなら、あなたは間違いなく震えたはずです。
山奥に響く、独特の「ボボボボッ!」という5気筒サウンド。
巨大ウイング。
火を吹くターボ。
そして雪道をミサイルのように加速する4WDマシン。
その正体こそ――。
Audi quattro。
現在、“quattro”はアウディの象徴です。
しかし昔のレース界では、4WDは笑い者でした。
「重い」
「曲がらない」
「スポーツに向かない」
誰もがそう考えていた。
ですがアウディは、その常識を完全破壊します。
しかも恐ろしいのは、単に勝っただけではないこと。
アウディは“モータースポーツのルールそのもの”を変えてしまったのです。
今回は、30〜50代のクルマ好きなら絶対に刺さる、“アウディのレース実績”を徹底深掘りします。
quattro登場前、ラリー界はFR天国だった
1970年代まで、WRC(世界ラリー選手権)の主役はFRでした。
ランチア。
フォード。
フィアット。
軽量で、滑らせて曲がる。
それがラリーの常識。
そこへ突然現れたのが、アウディの4WDマシンです。
1980年デビュー。
Audi quattro。
当初、多くのライバルは鼻で笑ったと言われています。
「4WD?重すぎるだろ」
しかし雪道になると、状況が一変。
圧倒的トラクション。
異常な立ち上がり加速。
どんな路面でも前へ進む。
ライバル達は、ただ見送るしかありませんでした。
そして1982年。
アウディはWRCマニュファクチャラーズタイトルを獲得。
“4WD時代”
が始まった瞬間でした。
グループB――“史上最狂”カテゴリーを支配した怪物
アウディ伝説を語るなら、絶対に避けられない言葉があります。
「グループB」
このカテゴリー、今では完全に神話です。
なぜなら、
危険すぎて消滅したから。
500馬力超。
超軽量。
巨大ターボ。
観客スレスレ。
現在では絶対許可されないレベルの狂気。
その中でもアウディ Sport quattro S1は異彩を放っていました。
巨大エアロ。
ショートホイールベース。
異常な加速。
特に有名なのが、パイクスピークでの暴れっぷり。
山岳ヒルクライムでquattroは“無双状態”になります。
なぜか?
未舗装+高出力=4WD最強だから。
しかもドライバーは、伝説の“ミシェル・ムートン”。
WRC史上初の女性優勝ドライバーです。
彼女がS1を操る映像は、今見ても異常。
クルマが暴れているのか、路面が壊れているのか分からない。
しかし、その姿は世界中のファンを熱狂させました。
「空飛ぶレンガ」と呼ばれた理由
アウディquattroには、海外で有名な異名があります。
“Flying Brick”
つまり、
「空飛ぶレンガ」
です。
理由は簡単。
見た目が四角すぎたから。
現在のような空力デザインではなく、初代quattroはかなり箱型。
しかし面白いのは、その“レンガ”が異常に速かったこと。
特に雪道。
ライバルが空転する中、quattroだけロケットスタート。
観客達は、
「なんだあれは…」
と驚愕したと言われています。
つまりアウディは、“見た目の美しさ”ではなく、
“機能を優先した結果カッコよくなった”
メーカーだったのです。
これ、クルマ好きにはたまりません。
ル・マン24時間を“支配”した時代
2000年代。
アウディは、別の意味でモータースポーツ界を震撼させます。
舞台はル・マン24時間耐久レース。
ここでアウディは、ほぼ無敵状態になります。
特に有名なのがAudi R8 LMP。
このマシン、強すぎました。
信頼性。
燃費。
速さ。
整備性。
全部高水準。
結果、2000年〜2005年にかけて圧倒的勝率を記録。
しかも恐ろしいのは、その後さらに進化したこと。
アウディは、
「ディーゼルでル・マン勝てるんじゃね?」
という狂気の発想へ到達します。
普通なら誰もやりません。
ですがアウディは本気でした。
ディーゼルでル・マン制覇という狂気
2006年。
Audi R10 TDI登場。
このクルマ、世界初のディーゼル総合優勝マシンです。
当時、ディーゼルは「遅い・汚い・トラック用」というイメージが強かった。
しかしアウディは違いました。
高トルク。
低燃費。
耐久性。
これらを武器に、ル・マンを制圧。
しかもV12ディーゼル。
音まで異様でした。
ガソリン勢とはまるで違う低音。
観客達は最初、半信半疑。
ですが結果は完全勝利。
この瞬間、アウディは“技術で勝つメーカー”として世界へ刻まれます。
しかもこの技術、後の市販TDIへフィードバックされていく。
つまりアウディは、レースを単なる宣伝ではなく、
“技術開発の実験場”
として本気で使っていたのです。
Formula Eでも“未来”へ突っ込んだアウディ
最近のアウディはEVレースにも本気です。
Formula E参戦。
EVラリー「ダカールラリー」挑戦。
つまりアウディは昔から変わっていません。
“誰もやらない技術”へ突っ込む。
これがアウディの本質。
quattroもそう。
ディーゼルル・マンもそう。
周囲が否定するほど、アウディは燃える。
だからこそ、多くの技術オタク達がアウディに惹かれるのです。
アウディのレース史は、“技術革命の歴史”だった
普通のメーカーは、「勝つため」にレースをします。
しかしアウディは少し違った。
“未来を作るため”
にレースをしていたのです。
4WD革命。
5気筒ターボ。
ディーゼル耐久。
アルミ軽量化。
どれも最初は笑われた。
ですが最終的に、世界が追従した。
これ、実はとんでもなく凄いことです。
だからアウディには独特なファンが多い。
「派手ではない。でも技術が異常」
この空気感こそ、アウディ最大の魅力。
そして今日も、多くのクルマ好きがquattroエンブレムを見ながらこう呟くのです。
「アウディって、昔から本気で頭おかしい(最高)」
よくある疑問
quattroはなぜレースで強かった?
4WDによる圧倒的トラクション性能が理由です。雪道やグラベルで特に優位でした。
グループBとは?
1980年代WRCの超危険カテゴリーです。高出力・軽量マシンが暴れ回り、危険性から消滅しました。
Audi R10 TDIは何が凄かった?
世界初のディーゼルエンジン搭載ル・マン総合優勝車です。耐久レース史を変えました。
アウディは今もレース活動している?
はい。Formula Eやダカールラリーなど、次世代技術系モータースポーツへ積極参戦しています。
参考・引用元
- Audi Sport Wikipedia(英語)
- Audi Quattro Wikipedia(英語)
- Group B Wikipedia(英語)
- Audi Sport quattro S1 Wikipedia(英語)
- Audi R8 (LMP) Wikipedia(英語)
- Audi R10 TDI Wikipedia(英語)
- Formula E Audi Sport Wikipedia(英語)
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