はじめに
BMW(Bayerische Motoren Werke)。青と白のプロペラロゴで知られるこのブランドは、世界中で「駆けぬける歓び」を象徴してきました。しかしその呼び名やニックネームは、国や地域、文化によって実に多彩。英語圏では略称“Bimmer”や“Beemer”が飛び交い、ヨーロッパでは親しみや皮肉を込めた呼び名が使われることもありました。呼び名は単なるラベルではなく、BMWと人々との関係性そのものを映し出す鏡でもあるのです。
今回は海外Wikipediaの記録をもとに、30〜50代のクルマ好きの心をくすぐるBMWの海外における呼び名のトリビア、逸話、面白エピソードを、マニアックかつエモーショナルに紹介していきます。
1. 英語圏の“Bimmer”と“Beemer”
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アメリカやカナダではBMWの車を「Bimmer」、オートバイを「Beemer」と呼び分ける。
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この区別はBMWクラブの愛好家によって広まったもので、一般には混同されることも多い。
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雑誌『Bimmer』はそのこだわりを象徴する存在であり、英語圏BMWファンの文化を形成した。
逸話:米国の大学キャンパスでは「ビーマーに乗るのはクールな学生」というイメージが定着し、広告戦略にも利用された。
2. ドイツ本国での呼び名
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本国では単に「ビー・エム・ヴェー(BMW)」と発音されるが、親しみを込めて「バイエルンの星」と呼ばれることもある。
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ドイツ国内のタクシー運転手の間では「E30」「E34」といった型式番号で通じるのが一般的。
トリビア:ドイツの古参ファンは「真のBMW乗りは型式で語る」と豪語する。
3. イギリスにおける“Beemer”文化
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イギリスではバイク文化から派生して「Beemer」が一般的に使われる。
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1970年代のラリーバイク人気が影響しており、四輪のBMWにも転用されて広まった。
4. アジアでの呼び名
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中国では「宝马(バオマ/宝の馬)」と呼ばれる。高級感とスピードを兼ね備えた象徴的存在。
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日本では「ベンベー」と呼ぶ人も多く、1970〜80年代のカーマニア誌でも普通に用いられていた。
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インドでは「ビーエムダブルユー」と正式に呼ぶが、富裕層の象徴として“ステータスカー”の代名詞に。
5. アメリカンカルチャーとBMW
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1980年代の映画『ウォール街』では、成功者がBMWに乗る姿が描かれ、BMW=「ヤッピー(都会のエリート)」の象徴となった。
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一方で「Bummer(ガッカリ車)」と揶揄するジョークもあり、愛憎入り混じる文化的立ち位置に。
6. レース界に根付いた呼び名
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ツーリングカーやDTMでは「ウルフ・イン・シープス・クロージング(羊の皮をかぶった狼)」と呼ばれた。
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特にE30 M3は「The Ultimate Touring Car」と称賛され、市販車でも「小さな巨人」と呼ばれた。
7. 海外メディアの異名
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英『Top Gear』誌は「The Ultimate Driving Machine(駆けぬける歓び)」という広告コピーをそのまま記事に使い、BMWの哲学を象徴する表現とした。
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米誌『Car and Driver』は「BMWはステアリングの詩人」と称し、操縦性の美学を高く評価。
8. 呼び名とオーナー文化
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世界各地のBMWクラブは「Bimmerfest」「Beemer Bash」といった愛称イベントを開催。
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呼び名を使い分けること自体がファン同士のアイデンティティの一部となっている。
まとめ
BMWの海外での呼び名は、単なる言葉遊びや略称にとどまりません。それは文化の文脈やファンの情熱、時代背景を反映した「物語」そのものです。
「Beemer」と呼ぶか「Bimmer」と呼ぶかで議論が交わされるのも、BMWが人々の心を深く動かす存在である証拠。30〜50代のクルマ好きにとって、呼び名を知ることは単なる知識以上の意味を持ちます。それは少年時代に憧れたポスターのクルマが、実は世界のどこかで「宝の馬」と呼ばれていたと知る瞬間のように、胸を熱くする体験なのです。
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