ビートルからゴルフへ――フォルクスワーゲン開発秘話大全

GTNET

はじめに

フォルクスワーゲン(Volkswagen)というブランド名は、直訳すると「国民のクルマ」。その名の通り、大衆に愛され続けてきた背景には、ただの量産車開発とは一線を画す、幾多の政治的背景、革新的な技術導入、そしてエンジニアたちの執念がありました。
今回は海外Wikipediaの信頼性高い記述をベースに、30〜50代のクルマ好きに刺さるマニアックな開発秘話やトリビア、知られざるエピソードを、エモーショナルかつ読みやすい構成でお届けします。

1. ビートル誕生の政治的背景

  • 1930年代、アドルフ・ヒトラーが提唱した「国民車構想」が発端。

  • フェルディナント・ポルシェ博士が設計を担当し、空冷水平対向エンジン、RRレイアウトを採用。

  • 戦前は軍用車「キューベルワーゲン」「シュビムワーゲン」として利用されることに。

2. 戦後復興と英国陸軍の決断

  • 第二次大戦後、VW工場は英国陸軍の管理下に置かれた。

  • メジャー・イヴァン・ハーストが工場閉鎖を止め、生産再開を主導。

  • 彼の判断がなければ、フォルクスワーゲンは歴史から消えていた可能性も。

3. ビートルの世界制覇

  • 1950〜60年代、シンプルかつ頑丈な構造で世界中に輸出。

  • 「空冷=壊れない」というイメージを確立し、メキシコやブラジルでも長期生産。

  • ビートルが映画『ラブ・バッグ』で大ブレイクし、ポップカルチャーの象徴に。

4. ゴルフ開発の決断

  • 1970年代、排ガス規制や燃費競争で空冷RRでは限界。

  • ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした初代ゴルフはFF・水冷直4エンジンに転換。

  • 社内では「空冷を捨てるのは自殺行為」という声もあったが、結果的に成功。

5. GTIの誕生

  • 1976年、初代ゴルフGTIが登場。

  • 当初は限定5,000台の予定が、世界的な人気で量産化。

  • 「羊の皮をかぶった狼」というキャッチコピーで熱狂的ファンを獲得。

6. カルマンギアとデザインの冒険

  • スポーツクーペ「カルマンギア」は空冷ビートルをベースにした流麗なデザインで人気。

  • イタリアンデザインとドイツ工業の融合という実験的試みだった。

7. パサート・ジェッタの戦略的投入

  • 北米市場を意識して派生モデルを展開。

  • 特にジェッタは米国で「実用性のある欧州車」として定着。

8. モータースポーツとの関わり

  • VWはラリーレイド(ダカールラリー)でトゥアレグを投入し、総合優勝。

  • ゴルフやポロも世界ラリー選手権(WRC)で活躍。

9. フェルディナント・ピエヒの改革

  • アウディからVWグループCEOに就任したピエヒが、品質とブランド戦略を刷新。

  • プラットフォーム共有戦略を徹底し、同一基盤で多車種展開を可能に。

10. 排ガススキャンダルとその後

  • 2015年、ディーゼルゲート事件でブランドは大打撃を受ける。

  • しかしID.3などEV化戦略を加速させ、新時代への転換を図る。


エモーショナルな開発現場トリビア