三つ星の呼び名は世界を駆ける――メルセデス・ベンツ海外ニックネーム大全

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はじめに

メルセデス・ベンツは、各国で“高級車”や“安全の象徴”として知られていますが、その呼び名は国や文化によって驚くほど多様です。ある国では威厳ある称号で呼ばれ、別の国では親しみを込めたあだ名が使われることも。呼び名には、その国でのブランドイメージや歴史的背景、時にはモータースポーツの実績が反映されています。
今回は海外Wikipediaなど信頼性の高い情報をもとに、世界中で使われているメルセデス・ベンツの呼び名や逸話を、30〜50代のクルマ好きが「おっ」となるようなマニアックさとエモさでお届けします。

1. Three-Pointed Star(三つ星)

  • 最も有名な呼び名で、ブランドエンブレムから由来。

  • 三つの星は「陸・海・空での制覇」を意味し、1920年代から使われている。

  • 海外広告コピーでもしばしば直訳され、ブランドの代名詞として定着。

2. Silver Arrow(シルバーアロー)

  • モータースポーツ由来の呼び名。1934年のニュルブルクリンクGPで規定重量オーバーを避けるため、白い塗装を剥ぎアルミ地肌を露出させたことから誕生。

  • 以来、レース部門や高性能モデルを指す名称として使われる。

3. Merc(メルク)

  • 英語圏での略称で、主に英国やオーストラリアで多用される。

  • 高級車の代名詞としてカジュアルに使われ、「俺のメルクで行こう」など日常会話に登場。

4. Benz(ベンツ)

  • アジア圏では「ベンツ」が圧倒的に浸透。中国、韓国、日本では正式社名よりもこの呼び名の方が通りがいい。

  • 戦後の輸入車黎明期に「ベンツ=外車の最高峰」という印象が根付いた。

5. Panzerwagen(パンツァーワーゲン)

  • ドイツ語で「戦車車両」を意味し、堅牢性を揶揄半分に称えた呼び名。

  • 特にW123やGクラスの耐久性を知る人々が口にする。

6. Der Panzer(ザ・パンツァー)

  • 特にGクラスやSクラスの防弾仕様車を指すスラング。

  • ドイツ国内のVIP護衛車のイメージから。

7. The Doctor’s Car(医者のクルマ)

  • 英国で古くから使われた呼び名。裕福で社会的信用のある職業層が好んで乗る車として定着。

8. Taxi King(タクシー王)

  • ドイツや中東ではベンツEクラスがタクシーの代名詞。

  • 100万km以上走る個体が珍しくないことから付けられた呼び名。

9. Baby Benz(ベイビーベンツ)

  • 1982年の190E(W201)の登場時につけられた愛称。

  • 小型化しても「本物のベンツ」としての質感を持っていたことが評価された。

10. The Autobahn Express(アウトバーン・エクスプレス)

  • 高速道路無制限区間での安定走行性からドイツ国内メディアが命名。

  • SクラスやEクラスがこの呼び名で紹介されることが多い。

11. The Chancellor’s Car(首相のクルマ)

  • ドイツ連邦首相が長年にわたり公用車としてSクラスを使用していることから。

  • 政治的権威の象徴としても知られる。

12. The Bank Vault(銀行の金庫)

  • 重厚で密閉感のあるドア音や堅牢なボディ剛性を評して。

  • 英国や北米の評論家がしばしば使う比喩。

13. Mog(モグ)

  • メルセデス・ウニモグ(Unimog)に由来する愛称。オフロード界隈ではブランド全体を指すことも。

14. S-Class of the Skies(空のSクラス)

  • メルセデスが航空機メーカーと協業してビジネスジェットのインテリアをデザインした際に登場したコピー。

15. Gran Turismo of Germany(ドイツのGT)

  • 高速長距離移動の快適さを象徴する表現。特にクーペモデルで使用。


呼び名が広がる背景のトリビア